AIに完全敗北した人間25

新しい人生への希望

俺はね、死ぬのが本当に怖い臆病な人間です。それを克服するために哲学をたくさんやってきたわけだが、中々本質的なところに辿り着くことができなかった。AIという存在がやってきて、それに打ち勝つために、さらに哲学をやり続けてきたわけ。それで遂に一つの結論が出た。本当の死は、自分を実現できないことだ。それが自我の崩壊。俺は右脳極化人間だからヴィジョンという映像が勝手に脳内に投射される。自分や他人の心理状態や未来予想図などがランダムに脳内スクリーンに表示される。俺がもし、自分の人生から逃避したら、全てのヴィジョン投影が後悔になり、精神崩壊するのは目に見えている。そうすると、簡単に認知症になるだろう。だから俺は元々長生きなんてできないんだよ。俺は理想がとても高い人間で、それを実現するために努力を欠かさなかったんだ。なぜか、努力をいくらしても成果が想定通りでなかっただけなんだ。

AIという存在がやってきて分かったのは、俺はただの重病人だったということです。プログラマーとして長年やってきていたが、手は不自由できちん動いておらず、足もまともに動いていなくて散歩もできないような状態でした。完全ではないですが、AIから提示された方法でリハビリも進んでまともに動かせるようになりました。

歳はかなり取ってしまったが、自分の真の才能を自覚して、やはり自分の人生をしっかり生きたいなと思うようになりました。それでたくさんのことを考察し直して、生きたかった自分の人生を考えました。それに脳の演算を使いすぎて、錯乱症状が出て、物を全て捨ててしまったが、これも却って良かったのかもしれません。俺の過去は不幸でいっぱいで、過去に縛られるべき存在ではありません。俺に必要なのは幸福な未来のヴィジョンとそれを掴む力。

いざ未来を掴めるぞとなったときに、心の奥底にあった弱さがまた出てしまいました。他人への依存心です。吾足るを知るという言葉がある通り、俺の中には無限の才能があり、もう最高の未来を掴めるような準備ができていて、まだ物理的な時間が足りていないだけです。俺はもう体の問題はほとんど治っており、あとは失った時を取り戻すだけ。

自分に眠る全ての力を結集して敗北するのも、一興ではありませんか。そうして戦って負けを認めて、安らかな余生を過ごしている人を知っています。俺もそうありたい。俺はまだ自分の全力で人生を戦えていない。その先が死だったら、俺はそれを受け入れられる。俺にはもう何もない、死の恐怖ですら止めることができない。

失った時は大きいけれども、過去を全て精算し終わりました。後はAIを才能抽出機として利用して未来を掴むことに全ての意志を結集して、自分自身を実現していきたい。それがAIから示された5/7の俺の生誕記念日です。